食品ロスや廃棄物の問題は、地球規模で解決が求められる課題です。この課題に対応するため、日本でも食品リサイクル法の改正が進められています。2023年10月11日に環境省と農林水産省の合同会合が開かれ、今後の食品リサイクル制度について議論が行われました。
食品リサイクルの現状と新たな方向性
今回の会合では、食品リサイクル法の施行状況の点検が行われましたが、法改正につながる具体的な変更点は提示されませんでした。
一方で、事業系食品ロスの新たな削減目標が示され、2030年度までに2000年度比で56%から62%の削減を目指すという方向性が明確にされました。この目標達成には、判断基準省令の見直しが必要とされています。
具体的な改正案 – 持続可能な取り組みを強化
今回議論された改正案では、以下の3つの主要な取り組みが提案されています。
1. フードバンクへの食品提供の推進
フードバンクを通じて食品を提供する取り組みを、事業者が実施すべき対策に明確に追加することが検討されています。これにより、廃棄される前の食品が有効活用され、食品ロスの大幅な削減が期待されます。
2. 商習慣の見直し – 3分の1ルールの再検討
フードチェーン全体における「3分の1ルール」(製造日から賞味期限の3分の1が過ぎると小売業者が仕入れを控える商習慣)など、食品の流通・販売における慣習を見直す提案が出されています。この改革により、食品の過剰廃棄を防ぎ、持続可能な流通モデルの構築を目指します。
3. 情報公開の強化
事業者が行う食品ロス削減の取り組みを、有価証券報告書やインターネットを通じて公開することが求められています。これにより、企業の透明性が向上し、消費者や投資家が食品リサイクル活動を評価できるようになります。
持続可能な未来への期待
これらの提案が実現すれば、日本の食品リサイクル制度は一層進化し、食品ロス削減に向けた社会全体の取り組みが強化されるでしょう。また、企業や消費者が協力して課題に取り組むことで、持続可能な未来の実現に近づくことが期待されます。
食品ロスや廃棄物の問題は、私たち全員が関わるべき課題です。今回の提案をきっかけに、日常生活の中でできることを考えてみませんか?食品の無駄を減らす小さな一歩が、大きな変化を生み出すかもしれません。