再生プラスチック市場の拡大を目指す団体「サステナブル・プラスチック・イニシアティブ(サスプラ)」は、年度内に法人化を進める方針です。サスプラは任意団体として発足からわずか3カ月で会員数100社・団体を超え、法人化を通じてさらなる体制強化と信頼性の向上を図るとしています。
理事長の石塚勝一氏(石塚化学産業会長)は、会員が予想以上に増えている現状について「来年3月末までに100社を目標としていたが、順調に会員数が伸びている」と語りました。
SPC認証制度が間もなく試験開始
サスプラは、再生プラスチック市場における信頼性を高めるべく、新たに「SPC認証制度」を開始します。この認証制度は、再生プラスチックを適切にリサイクルするための要件を満たす事業所や工場を認証するもので、月内にも試験認証を開始予定です。石塚理事長は、「再生プラ市場の発展に向けた多様なステークホルダーとの連携によって、有意義な意見やアイデアが生まれることを期待している」と述べました。
SPC認証制度のプロセスは、以下の3つの区分で認証が行われます。
再生資源調達:回収、選別、圧縮といったプロセス
再生原料製造:選別、破砕、洗浄などのプロセス
成形用再生材料製造:主にコンバウンド製造
今回の試験認証では、(2)再生原料製造と(3)成形用再生材料製造の2つのカテゴリーでスタートする予定です。サスプラはこの取り組みにおいて「需要家に最も近い人々に説明を行いながら進めたい」とし、利用者の理解と協力を得ながら信頼性を確保する体制を整えています。
SPC認証制度の今後の展開と目標
サスプラは、12月に開催予定の「エコプロ展」でSPC認証制度の正式発表を目指しています。この制度は、供給側である静脈産業の技術向上を促進すると同時に、需要家が再生プラスチックの購入先を選定する基準にもなります。サスプラは「中立性と第三者性を確保した制度運用」を掲げ、再生プラスチックの価値向上に向けた取り組みを進めています。
サスプラの取り組みは、再生プラスチック市場における信頼性の高いサプライチェーンの確立とともに、持続可能な社会の実現に向けた新しいスタンダードの確立を目指しています。